365メディカル連載|第5回

診療報酬改定DXとは?
——レセコン改修が根本から変わる

2年ごとの「システム大改修」をなくす国の計画。
共通算定モジュールで医療機関の負担はどう変わるか

🖥️レセコン
🔧システム改修
📦共通モジュール
💰コスト削減

医院長・事務長向け:診療報酬改定DXとレセコン改修の実務

本記事では、診療報酬改定DX、共通算定モジュール、レセコン改修、共通マスタ、標準型レセコンについて、クリニックの医院長・事務長向けに整理します。2年ごとの改定対応コストやベンダー確認で押さえるべきポイントを、実務目線で解説します。

診療報酬改定DX 共通算定モジュール レセコン改修 共通マスタ 医院長向け 事務長向け 医療DX ベンダー確認

診療報酬が改定されるたびに発生する「レセコン(レセプトコンピュータ)の改修」。 費用も手間もかかるのに、2年ごとに繰り返される作業です。 「診療報酬改定DX」は、この繰り返しをなくすための国の計画です。 今回は、その仕組みと医院への影響をやさしく解説します。

😤
「また改定のたびにベンダーへの費用が……」
そのお悩み、診療報酬改定DXで解決しようとしているのが国の計画です。
🖥️

レセコン改修とは?——なぜ2年ごとに費用がかかるのか

診療報酬の「計算ルール」が変わるたびに、プログラムの書き換えが必要になる

「レセコン」とは、診療報酬を計算し、レセプト(請求書)を作成するコンピュータシステムのことです。 診療報酬が改定されるたびに、点数・要件・算定ルールが変わります。 するとレセコンのプログラムも書き換えなければ、正しく計算できません。

🧮
電卓ソフトで例えると…

「2×3=6」と計算する電卓ソフトがあるとします。 もし「2×3は今日から7になりました」とルールが変わったら、電卓ソフトを書き換えなければなりません。

レセコンも同じです。「この処置はこの点数」「この施設基準があればこの加算を足す」というルールが、 診療報酬改定のたびに変わります。 全国に何万台もあるレセコンを、ベンダーがそれぞれ改修する——これが今の仕組みです。

誰が何をしているか費用・手間
ベンダー(システム会社)改定内容をプログラムに反映。全顧客への配布・テスト数ヶ月の作業。膨大な人手とコスト
医療機関(医院)更新費用を支払う。新システムの動作確認・操作研修数十万円〜数百万円規模の費用も
国(厚生労働省)改定内容を通知・告示。各社が対応するのを待つ全国で重複した改修作業が発生
全国の医療機関とベンダーが、同じ改定内容への対応を、それぞれバラバラに行っているのが現状です。これは、巨大な社会的コストです。
📦

診療報酬改定DXの解決策——「共通算定モジュール」

全国共通の「計算プログラム」を国が作れば、みんながそれを使えばいい

「診療報酬改定DX」が提案する解決策は、シンプルです。

国が「共通の計算プログラム」を作れば、
全国のレセコンはそれを使えばいい

この「共通の計算プログラム」を「共通算定モジュール」と呼びます。

🔧🔧🔧
これまで

ベンダーAも、ベンダーBも、ベンダーCも、それぞれ同じ計算プログラムを独自に作り直す

📦✅
これから

国が共通算定モジュールを作る。各ベンダーはそれを組み込むだけでよい

共通算定モジュールとは

診療報酬の算定・窓口負担計算のための「全国共通の計算エンジン」

共通算定モジュールとは、診療報酬の算定ロジックや窓口負担金の計算を行う、全国共通の電子計算プログラムです。 改定のたびに国がこのモジュールを更新し、各ベンダーはそれを使うだけでよくなります。 医療機関は、改定ごとのシステム改修費用・作業負担が大幅に削減されます。

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診療報酬改定DXの3つの柱

共通マスタ・共通算定モジュール・標準型レセコンで改修を極小化

診療報酬改定DXは、「共通算定モジュール」だけではなく、いくつかの要素からなる総合的な取り組みです。

📋

①共通マスタ

診療行為・医薬品・材料などの「コード(番号)」を全国で統一する仕組み。同じものに同じコードが割り当てられるため、ベンダー間の情報互換性が高まる。

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②共通算定モジュール

診療報酬の計算を行う全国共通のプログラム。国が改定のたびに更新し、各ベンダーが組み込む形にする。改修コストの大幅削減が期待される。

🖥️

③標準型レセコン

共通算定モジュールを活用した、標準仕様のレセプトコンピュータ。中小医療機関が低コストで導入できる選択肢として検討されている。

🌐

④全国医療情報プラットフォームとの連携

レセコンが全国医療情報プラットフォームと接続することで、データの活用・情報共有が一体的に進む。請求・共有・活用がシームレスになる。

💰

医院への具体的なメリット

コスト削減・作業軽減・情報の正確さ——3つの恩恵

診療報酬改定DXが進むことで、医療機関にはどんなメリットがあるでしょうか。

いつから変わる?——スケジュールと現在地

令和8年度改定を節目に、段階的に実装が進む

診療報酬改定DXは、一度にすべてが変わるわけではありません。段階的に実装が進みます。

診療報酬改定DX導入の流れ
共通マスタの整備・標準化(現在進行中)
共通算定モジュールの開発・テスト
令和8年度改定以降、段階的に各ベンダーが共通モジュールを採用開始
標準型レセコンの普及(特に中小医療機関向け)
全国医療情報プラットフォームとの連携が本格化
現時点では、すべてのベンダーが即座に共通算定モジュールに移行するわけではありません。医療機関は、使用しているベンダーが診療報酬改定DXへどう対応するかを確認することが重要です。
🔑

医院長・事務長が今確認すべきこと

ベンダーの対応方針を「今のうちに」把握しておく

診療報酬改定DXは、国が進める施策ですが、実際の対応はベンダーを通じて行われます。 医院長・事務長として、今すぐ確認しておくべきことがあります。

確認事項なぜ重要か
使用中のレセコンのベンダーは、診療報酬改定DXに対応する予定があるか?対応しないベンダーだと、将来的にコスト削減の恩恵が受けられない
共通算定モジュール対応のロードマップはあるか?いつから対応するかにより、次の改定対応費用が変わる
令和8年度改定への対応費用の見積もりは出ているか?費用を事前に把握して予算計画に反映するため
標準型レセコンへの乗り換えが選択肢になりうるか?小規模診療所では、コスト面で有利な可能性がある
📱
スマートフォンのOSアップデートで例えると…

iPhoneやAndroidは、OSがアップデートされると、すべてのアプリも最新版に更新されます。 個々のアプリ開発者が一から書き直すのではなく、OS側が共通の基盤を提供しているから、スムーズに更新できます。

診療報酬改定DXは、医療の世界でこれと同じ仕組みを作ろうとしています。 国が「共通OS(共通算定モジュール)」を提供し、各ベンダーがそれを使うことで、全体のコストと手間を一気に下げる計画です。

まとめ:診療報酬改定DXは「改定が楽になる未来」への投資

共通算定モジュール
全国共通の計算プログラム
共通マスタ
コードの標準化
標準型レセコン
中小医院向けの選択肢
改修コスト削減
2年ごとの負担が減る
プラットフォーム連携
請求・共有が一体化
ベンダー確認が急務
今すぐ方針を聞く

診療報酬改定DXは、今すぐ医院の何かを変えなければいけない話ではありません。 ただ、次のレセコン更新・ベンダー選びの際に、診療報酬改定DXへの対応方針を考慮することが、将来の大きなコスト削減につながります。

次回・第6回では、「電子カルテ情報共有サービス」と「3文書6情報・HL7 FHIR」を詳しく取り上げます。 医療情報がどうつながるかの仕組みを、やさしく解説します。

医院長・事務長向けFAQ

Q. 診療報酬改定DXとは何ですか?

診療報酬改定DXとは、2年ごとの診療報酬改定に伴うレセコン改修や算定ロジックの変更負担を軽減するため、共通算定モジュールや共通マスタを整備する国の取り組みです。

Q. 共通算定モジュールとは何ですか?

共通算定モジュールは、診療報酬の算定や窓口負担金の計算を行う全国共通の電子計算プログラムです。各ベンダーが共通モジュールを利用することで、改定対応の重複作業やコスト削減が期待されます。

Q. クリニックは今すぐ何を確認すべきですか?

使用中のレセコンや電子カルテのベンダーに、診療報酬改定DX、共通算定モジュール、標準型レセコンへの対応予定とロードマップを確認することが重要です。

レセコン・電子カルテのベンダー対応、一緒に確認しませんか?

365メディカルでは、診療報酬改定DXへの対応状況確認・ベンダーとの調整サポートを行っています。 「何を聞けばよいかわからない」という段階からご相談いただけます。

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参考・参照

  • 厚生労働省「診療報酬改定DX対応方針」
  • 厚生労働省「医療DX令和ビジョン2030」
  • 厚生労働省「標準型電子カルテ・診療報酬改定DX」関連資料
免責事項
本記事は、医療機関向けに制度やガイドラインの全体像をわかりやすく整理することを目的とした一般的な情報提供です。 実際のシステム選定・診療報酬対応については、必ず最新の厚生労働省資料・ベンダーへの確認・専門家の助言等をご確認ください。