R8診療報酬改定|歯科医院向けWEB掲載対応

【R8診療報酬改定】歯科医院のWEB掲載はここまで必要に

「院内掲示だけ」では足りない時代へ。医院長・事務長が確認すべき、施設基準・医療DX・明細書発行・歯科技工士連携・保険外負担のホームページ対応をわかりやすく解説します。

365メディカル編集部|最終更新日:2026年5月20日

令和8年度診療報酬改定では、歯科医院にとって「点数がどう変わるか」だけでなく、ホームページ等で何を掲載しているかが、これまで以上に重要になります。

これまで多くの歯科医院では、施設基準や明細書発行、医療安全体制などを院内に掲示していれば、一定の対応ができていると考えられてきました。

しかし、R8改定では、医療DX、マイナ保険証、電子的な診療情報連携、歯科技工士との連携、ベースアップ評価など、医院の診療体制そのものを患者や関係者に分かりやすく示すことが求められています。

これからの歯科医院経営では、ホームページは集患のためだけのものではありません。

施設基準・診療体制・保険診療上の説明責任を果たす場所として整備する必要があります。

1. R8改定で歯科医院のWEB掲載が重要になる理由

R8改定の大きな特徴は、単に「診療報酬を算定する」だけでなく、その算定を支える体制が整っているかが問われる点にあります。

特に歯科医院では、次のような項目がWEB掲載と関係してきます。

施設基準

地方厚生局へ届け出ている施設基準や加算を整理して掲載します。

医療DX

オンライン資格確認、マイナ保険証、診療情報の取得・活用などを掲載します。

明細書発行

明細書を無償で発行していることを患者にわかりやすく案内します。

歯科技工士連携

補綴物製作における歯科技工士・歯科技工所との連携体制を説明します。

特に、電子的歯科診療情報連携体制整備加算は、従来の医療DX推進体制整備加算や医療情報取得加算の見直しに関連する重要項目です。歯科医院でも、医療DXや電子的な診療情報連携の体制を、患者にわかる形で示すことが重要になります。

2. 歯科医院がまず作るべきWEBページ

歯科医院のホームページには、次のようなページを1つ作ることをおすすめします。

ページタイトル例

施設基準・診療体制に関するご案内

当院の施設基準・医療DX・保険外負担に関する掲示事項

このページに、R8改定で求められる情報をまとめて掲載します。患者向けに分かりやすく書きながら、同時に施設基準・算定要件に関係する情報も整理しておくことが重要です。

3. WEB掲載すべき主な項目

① 施設基準の届出状況

まず掲載すべきなのが、地方厚生局に届け出ている施設基準の一覧です。

掲載項目 内容例 注意点
歯科初診料の注1に規定する施設基準 歯科外来診療における安全管理・感染対策等の体制 届出状況に応じて記載
歯科外来診療医療安全対策加算 緊急時対応、医療安全管理体制など 実際の体制と一致させる
歯科外来診療感染対策加算 滅菌、標準予防策、感染防止対策など 患者にわかりやすく表現
CAD/CAM冠及びCAD/CAMインレー デジタル補綴への対応 対象範囲は最新通知を確認
光学印象 口腔内スキャナ等の活用 導入・運用状況と一致させる
電子的歯科診療情報連携体制整備加算 オンライン資格確認、医療DX体制等 WEB掲載との関連が大きい
掲載文例

当院は、厚生労働省が定める施設基準に基づき、以下の項目について地方厚生局に届出を行っています。

  • 歯科初診料の注1に規定する施設基準
  • 歯科外来診療医療安全対策加算
  • 歯科外来診療感染対策加算
  • CAD/CAM冠及びCAD/CAMインレー
  • 光学印象
  • クラウン・ブリッジ維持管理料
  • 電子的歯科診療情報連携体制整備加算
  • 歯科外来・在宅ベースアップ評価料

※実際の届出状況に応じて内容は変更となる場合があります。

注意:届出していない項目を掲載してはいけません。ホームページに記載していても、実際の届出や運用が伴っていなければ、患者説明や監査対応の面で問題になる可能性があります。

② 明細書発行に関する案内

歯科医院では、明細書発行に関する案内もWEB掲載しておくべき重要項目です。患者にとって、領収証だけでは「どの処置にどの点数が算定されたのか」が分かりにくい場合があります。

掲載文例

当院では、医療の透明化や患者様への情報提供を積極的に推進していく観点から、領収証の発行時に、個別の診療報酬算定項目が分かる明細書を無償で発行しています。

明細書には、使用した薬剤名や実施した検査・処置名等が記載されます。明細書の発行を希望されない方は、会計窓口にてお申し出ください。

③ 医療DX推進体制

R8改定では、医療DXに関する体制整備が歯科医院にも強く求められています。オンライン資格確認、マイナ保険証、薬剤情報・診療情報の取得・活用、電子処方箋、電子カルテ情報共有サービスなどは、国が進める医療DXの中核です。

掲載文例

当院では、オンライン資格確認システムを導入し、マイナンバーカードの健康保険証利用に対応しています。

患者様の診療情報、薬剤情報、特定健診情報等を取得・活用することで、質の高い歯科医療の提供に努めています。

また、国が進める医療DXに対応するため、電子処方箋や電子カルテ情報共有サービス等への対応を進めています。

注意:電子処方箋や電子カルテ情報共有サービスが未導入の場合は、「対応しています」と断定せず、「体制整備を順次進めています」など、実態に合わせた表現にしてください。

④ マイナ保険証・オンライン資格確認

マイナ保険証の利用案内は、制度説明だけでなく、患者が来院時に何を持参すればよいのか、どのようなメリットがあるのかを簡潔に伝えることが重要です。

掲載文例

当院では、マイナンバーカードを健康保険証として利用できます。

マイナ保険証をご利用いただくことで、過去の薬剤情報や特定健診情報等を踏まえた、より適切な診療を受けることができます。

受診の際は、マイナンバーカードまたは健康保険証をご持参ください。

⑤ 医療安全対策

歯科医院では、外来診療における医療安全体制も重要な掲示項目です。特に、歯科外来診療医療安全対策加算などを届け出ている医院では、医療安全管理体制について分かりやすく説明しておくとよいでしょう。

掲載文例

当院では、患者様に安心して歯科診療を受けていただくため、医療安全管理体制を整備しています。

緊急時の対応、医療機器の安全管理、スタッフ研修等を行い、安全な歯科医療の提供に努めています。

⑥ 院内感染対策

歯科診療では、器具の滅菌、標準予防策、使い捨て製品の使用、診療台まわりの清拭など、感染対策への関心が高くなっています。

掲載文例

当院では、標準予防策に基づき、器具の滅菌、使い捨て製品の活用、診療台まわりの清拭、スタッフの手指衛生など、院内感染防止対策を実施しています。

⑦ 歯科技工士との連携

R8改定で、歯科医院にとって特に重要になるのが、歯科技工士・歯科技工所との連携です。歯科医院と技工所の関係は、単なる外注関係ではなく、診療品質・補綴品質を支える連携体制として評価される方向に進んでいます。

掲載文例

当院では、補綴物の製作にあたり、必要に応じて歯科技工士と連携し、色調、形態、咬合状態等を確認しながら治療を進めています。

情報通信機器等を活用し、歯科医師と歯科技工士が連携することで、より適切な補綴物の提供に努めています。

特に掲載を検討したい医院

  • CAD/CAM冠・CAD/CAMインレーを算定している
  • 光学印象を算定している
  • 歯科技工士連携加算を算定している
  • 口腔内スキャナを活用している
  • 歯科技工所ベースアップ支援料に対応する
  • デジタル技工所と連携している

⑧ 保険外負担・自費費用

保険診療とは別に患者から費用を徴収する場合は、WEB上でも分かりやすく掲載しておくことが重要です。

区分 掲載例 実務上の注意点
文書料 診断書、証明書、紹介状控え等 金額を明示する
郵送費 書類郵送費、資料送付費 実費相当か確認
自費診療 ホワイトニング、矯正、インプラント等 保険診療と混同しない表記にする
マウスピース ナイトガード、スポーツマウスガード等 保険適用・自費の区分を明確にする
キャンセル料 自費診療・長時間予約等の場合 対象、条件、金額、同意取得が重要
掲載文例

当院では、以下の項目について、保険診療とは別に費用をご負担いただく場合があります。

  • 診断書、証明書等の文書料
  • 書類等の郵送費
  • 自費診療に関する費用
  • 予約変更、キャンセルに関する費用

費用が発生する場合は、事前に内容をご説明し、同意をいただいたうえで対応いたします。

4. WEB掲載時にやってはいけないこと

届出していない加算を掲載する

「対応しています」と書いていても、届出や実際の運用がなければ問題になります。

体制がないのに医療DX対応と書く

電子処方箋や電子カルテ情報共有サービスなどは、医院の実態に合わせて記載します。

PDFだけで済ませる

PDFだけではスマホで読みにくく、患者にも伝わりにくくなります。

更新日を入れない

疑義解釈や訂正通知に対応できるよう、最終更新日を入れて管理しましょう。

おすすめは、HTMLページで掲載し、必要に応じてPDFも添付する形です。

また、メニューまたはフッターからアクセスできるようにして、患者が迷わず確認できる導線を作ることが重要です。

5. 歯科医院向けWEB掲載チェックリスト

以下の項目を確認し、自院のホームページに不足がないかチェックしてください。

確認 項目
施設基準の届出一覧を掲載している
明細書発行について掲載している
医療DX推進体制について掲載している
マイナ保険証・オンライン資格確認について掲載している
医療情報の取得・活用について掲載している
電子処方箋の対応状況を実態に合わせて掲載している
電子カルテ情報共有サービスの対応状況を実態に合わせて掲載している
医療安全対策について掲載している
院内感染対策について掲載している
歯科技工士との連携について掲載している
保険外負担・自費費用について掲載している
個人情報保護方針を掲載している
最終更新日を掲載している
スマホで読みやすいページになっている
メニューまたはフッターからアクセスできる

6. 365メディカルが考える実務対応

R8診療報酬改定におけるWEB掲載対応は、単なるホームページ修正ではありません。実際には、次の3つを同時に整理する必要があります。

1. 届出している施設基準の整理

現在どの施設基準を届け出ているのかを確認します。

2. 実際の運用状況の確認

医療DX、マイナ保険証、明細書発行、技工士連携などが実際に運用されているか確認します。

3. ホームページへの反映

確認した内容を、患者に分かりやすい文章でWEB掲載します。

4. 定期的な更新管理

疑義解釈や通知の変更にあわせて、掲載内容を見直します。

この3つがズレていると、ホームページだけ整えても意味がありません。

たとえば、ホームページには「医療DXに対応」と書いているのに、電子処方箋や電子カルテ情報共有サービスの導入状況が曖昧であれば、実態とのズレが生じます。

逆に、施設基準を届け出ているにもかかわらずWEB掲載していない場合は、算定・掲示対応の面で取りこぼしになる可能性があります。

これからの歯科医院に必要なのは「WEB掲示台帳」

365メディカルでは、R8改定以降の歯科医院には、WEB掲示台帳の考え方が必要になると考えています。

管理項目 内容
掲載項目 施設基準、明細書、医療DX、保険外負担など
掲載ページURL どのページに掲載しているか
根拠資料 告示、通知、疑義解釈、届出書類など
実際の運用 実施中、準備中、未対応
最終更新日 いつ更新したか
担当者 誰が確認したか
次回確認日 疑義解釈・通知確認の予定

R8改定では、医療機関のWEBサイトが、単なる広報媒体ではなく、診療体制の説明責任を果たす場所になっていきます。

だからこそ、ホームページ制作会社に文章だけ依頼するのではなく、診療報酬・施設基準・実務運用を理解したうえで掲載内容を整えることが重要です。

まとめ:R8改定で歯科医院のホームページは「制度対応ページ」になる

R8診療報酬改定で、歯科医院がWEB掲載として特に整備すべき項目は次の8つです。

  1. 施設基準の届出状況
  2. 明細書発行に関する案内
  3. 医療DX推進体制
  4. マイナ保険証・オンライン資格確認
  5. 医療安全対策
  6. 院内感染対策
  7. 歯科技工士との連携
  8. 保険外負担・自費費用

これからの歯科医院にとって、ホームページは「集患のための広告」だけではありません。

届出している施設基準を説明する場所であり、患者に診療体制を伝える場所であり、診療報酬上の要件を満たすための重要な管理対象です。

R8改定対応では、まず自院のホームページに「施設基準・診療体制に関するご案内」ページを作成し、届出状況と実際の運用を一致させることから始めるべきです。

R8改定のWEB掲載対応、整理できていますか?

365メディカルでは、歯科医院・クリニック向けに、施設基準、WEB掲示、医療DX、届出・証憑管理の実務整理をサポートしています。

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参考・引用

免責事項:
本記事は、令和8年度診療報酬改定に関する公表資料等をもとに、歯科医院向けに分かりやすく整理したものです。実際の算定、届出、WEB掲載内容については、最新の告示・通知・疑義解釈、地方厚生局の案内、顧問税理士・社労士・医療法務専門家等に確認のうえ対応してください。