2026年最新情報|医療DX・電子カルテ対応

標準型電子カルテとは?
クリニック・中小病院が今から準備すべきこと

国が進める医療DXの中核となる「標準型電子カルテ」。電子カルテ情報共有サービス、電子処方箋、クラウド化、標準仕様への対応を、医療機関の実務目線で整理します。

公開日:2026年6月17日 対象:クリニック・中小病院 監修視点:365メディカル
標準型電子カルテと医療DXを表す医療テクノロジーのイメージ画像
電子カルテは「入力する道具」から「医療情報をつなぐ基盤」へ

制度対応・情報共有・証跡管理まで含めた準備が重要です。

医療DXの流れの中で、医療機関が特に注目すべきテーマの一つが「標準型電子カルテ」です。

これまで電子カルテは、メーカーごと、医療機関ごとに仕様や運用が異なり、情報連携やデータ移行、システム更新のたびに大きな負担が発生してきました。

しかし今後は、電子カルテ情報共有サービス、電子処方箋、オンライン資格確認、クラウド化、標準API、データ互換性など、国の医療DXに対応できる情報基盤が求められます。

標準型電子カルテとは何か

標準型電子カルテとは、簡単に言えば、国の医療DXに対応しやすい形で設計される、標準仕様に基づいた電子カルテの仕組みです。

従来の電子カルテは、医療機関ごとのカスタマイズやメーカー独自仕様が多く、便利な反面、システム更新・データ移行・他システム連携に課題がありました。

これからの電子カルテには、単に「紙カルテを電子化する」だけではなく、電子処方箋、電子カルテ情報共有サービス、オンライン資格確認、診療報酬改定DXなどと連携できることが求められます。

つまり、これからの電子カルテに必要なのは、入力しやすさだけではありません。 つながること、移行できること、制度改定に対応できること、証跡を残せること、クラウド環境で安全に運用できることが重要になります。

2026年時点の最新動向

2026年時点で押さえておきたいポイントは、主に3つあります。

1

医科無床診療所向けの導入版

医科無床診療所向けに、国の医療DX対応機能に限定した「標準型電子カルテ導入版」の開発が進められています。

2

すべての診療録業務を置き換えるものではない

導入版は、まず電子カルテ情報共有サービスや電子処方箋など、医療DX対応を中心に設計される方向です。

3

中小病院・診療所向け標準仕様の整理

中小病院向け、医科診療所向けの電子カルテ・レセコン標準仕様が整理され、今後の選定基準として重要になります。

厚生労働省は、2026年4月に標準型電子カルテ導入版に関する情報を更新し、2026年3月には中小病院向け・医科診療所向けの電子カルテ及びレセプトコンピュータ標準仕様書の1.0版を公開しています。

これは、今後の電子カルテ選定において、単に「価格が安い」「使い慣れている」だけではなく、国の標準仕様に沿っているかどうかが重要な判断基準になることを意味します。

標準型電子カルテで何が変わるのか

標準型電子カルテの登場によって、医療機関のシステム選定は大きく変わります。

これまでは、電子カルテを導入する際に、各社の機能、操作性、価格、サポート体制を比較することが中心でした。もちろん今後もそれらは重要です。

しかし今後は、それに加えて、次のような観点が欠かせなくなります。

電子カルテ情報共有サービスに対応できるか

電子カルテ情報共有サービスは、全国医療情報プラットフォームの仕組みの一つとして、医療機関や薬局などで患者情報を共有するための基盤です。

診療情報提供書の電子共有、健診結果の閲覧、患者情報の閲覧、患者サマリーの本人閲覧などが想定されており、今後の医療連携において重要な役割を担います。

電子処方箋に対応できるか

電子処方箋は、処方箋を電子的に運用するだけでなく、複数の医療機関や薬局での処方・調剤情報を活用し、重複投薬等チェックにもつながる仕組みです。

データ移行性・互換性を確保できるか

電子カルテの入れ替え時には、過去データの移行が大きな課題になります。 過去カルテをどこまで移行するか、文書や画像をどう扱うか、旧システムをいつまで閲覧専用で残すかなど、現場には多くの論点があります。

標準仕様の考え方が進むことで、今後はデータ引き継ぎや互換性の確保がより重要になります。

クリニック・中小病院への影響

クリニックの場合

クリニックでは、紙カルテや古いオンプレミス型システムを利用しているケースも少なくありません。 その場合、電子処方箋、電子カルテ情報共有サービス、医療DX推進体制、オンライン資格確認などの制度対応が個別に積み上がり、院内の負担が増えやすくなります。

標準型電子カルテ導入版は、既存の診療録運用をすぐにすべて置き換えるというより、まずは国の医療DXに対応するための入口として活用される可能性があります。

中小病院の場合

中小病院の場合、電子カルテ、レセコン、部門システム、検査システム、画像システム、薬剤、リハビリ、栄養、医事会計など、多くのシステムが連携しています。

そのため、標準型電子カルテへの対応は、単なる電子カルテの入れ替えではなく、病院全体の情報システム刷新計画として考える必要があります。

特に、2027年、2028年、2029年に電子カルテ更新を予定している病院は、今から標準仕様への対応状況をベンダーに確認しておくことが重要です。

今から確認すべき5つのポイント

標準型電子カルテへの対応を見据えて、医療機関が今から確認すべきポイントは次の5つです。

  • 現在の電子カルテ・レセコンの契約更新時期
    保守契約、リース期間、更新予定時期を確認し、次回更新を医療DX対応の節目として捉える必要があります。
  • 電子カルテ情報共有サービスへの対応予定
    対応有無だけでなく、対応時期、追加費用、院内作業、検査データの扱いまで確認しましょう。
  • 電子処方箋への対応状況
    電子カルテ・レセコン・薬局連携・院内運用の変更点を整理しておくことが重要です。
  • クラウド化・セキュリティ対策
    二要素認証、アクセス権限、ログ管理、バックアップ、障害時対応、BCPを含めて整備する必要があります。
  • 院内業務フローと証跡管理
    誰が入力し、誰が確認し、誰が修正し、どの情報を外部共有するのか。説明できる状態を作ることが重要です。

365メディカルが考える標準型電子カルテ対応の本質

365メディカルでは、標準型電子カルテへの対応を、単なるシステム導入ではなく、医療機関の制度対応・情報管理・運用設計を見直す機会だと考えています。

今後、医療機関には、施設基準の届出情報、WEB掲示情報、医療DX推進体制、電子処方箋、電子カルテ情報共有サービス、サイバーセキュリティ対策、院内掲示とホームページ掲載の整合性など、さまざまな情報管理が求められます。

これらは別々の業務に見えますが、実際にはすべてつながっています。

標準型電子カルテの時代には、医療機関が保有する情報を、診療・請求・掲示・届出・監査・連携において、矛盾なく管理することが求められます。

その意味で、365メディカルが展開する365Registry医療機関WEB掲示サポートは、標準型電子カルテ時代の周辺業務を支える基盤になり得ると考えています。

まとめ:標準型電子カルテは「いつか」ではなく「今から」準備するテーマ

標準型電子カルテは、まだすべての詳細が確定しているわけではありません。

しかし方向性は明確です。国は、電子カルテ情報の標準化、電子カルテ情報共有サービス、電子処方箋、クラウド化、標準API、データ互換性を軸に、医療機関の情報基盤を大きく変えようとしています。

クリニックや中小病院にとって大切なのは、今すぐ焦ってシステムを入れ替えることではありません。

まずは、現在のシステム契約、更新時期、ベンダー対応状況、院内業務フロー、セキュリティ、証跡管理、WEB掲示・届出情報の管理状況を整理することです。

標準型電子カルテは、医療機関にとって負担である一方、これまで属人的・紙ベース・個別対応だった業務を見直す大きなチャンスでもあります。

標準型電子カルテ時代の制度対応・証跡管理を支援します

365メディカルでは、医療DX、施設基準、WEB掲示、証憑管理、業務フロー設計の観点から、医療機関が標準型電子カルテ時代にスムーズに対応できる体制づくりを支援しています。

365メディカルに相談する

参考・参照情報

免責事項

本記事は、2026年6月17日時点で公表されている厚生労働省等の公開情報をもとに、365メディカルが医療機関向けにわかりやすく整理したものです。制度内容、補助金、導入要件、スケジュール、認証制度等は今後変更される可能性があります。実際の導入判断、届出、契約、システム選定にあたっては、最新の公的資料、所管機関、電子カルテベンダー、専門家等に必ずご確認ください。