365メディカル|介護事業所DX実務ガイド

介護事業所DXの進め方
記録電子化・業務改善・人手不足解消を現場目線で進める

介護DXは、便利なシステムを導入するだけではありません。 記録、請求、シフト、見守り、家族連絡、情報共有を見直し、 人手不足の中でもサービス品質を維持するための経営課題です。

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介護事業所のDXを進める介護職員がタブレットで記録電子化や情報共有を確認しているイメージ

はじめに:介護DXは「人手不足でもサービスを維持する」ための経営課題

介護 DXは、今後の介護事業所にとって避けて通れないテーマです。 厚生労働省も、2040年頃に向けて高齢者人口がピークを迎え、 85歳以上人口の増加や生産年齢人口の急減により、 介護サービス需要の増大と人材不足が大きな課題になると示しています。

つまり、介護事業所 DXは、単に便利なシステムを導入する話ではありません。 人手不足の中でも、介護サービスの質を維持し、 職員が働き続けられる環境をつくるための経営課題です。

介護現場では、記録、申し送り、請求、シフト、送迎、家族連絡、事故報告、 ケアプラン連携、見守り、夜間巡回など、多くの業務が積み重なっています。 これらの業務が紙や口頭、個人の経験に依存していると、 職員の負担は増え、ミスや引き継ぎ漏れも起こりやすくなります。

介護DXの第一歩は、現場を機械に置き換えることではありません。現場の負担を見える化し、介護職が利用者ケアに集中できる時間を増やすことです。

介護事業所で多い困りごと

介護事業所でよく聞かれる困りごとは、記録に時間がかかることです。 紙の介護記録に記入し、申し送りノートに書き、請求ソフトへ転記し、 家族への連絡帳を作成する。こうした二重・三重の記録が残っている事業所もあります。

次に、情報共有の難しさです。 早番、日勤、遅番、夜勤、パート職員、看護職、リハ職、ケアマネジャーなど、 多職種が関わる介護現場では、情報の引き継ぎが重要です。 口頭の申し送りだけでは、抜け漏れが起こる可能性があります。

また、シフト作成も大きな負担です。 人員基準、希望休、資格者配置、夜勤、送迎、急な欠勤などを考慮しながら シフトを組む作業は、管理者の時間を奪います。

家族連絡や事故報告も負担になりやすい業務です。 利用者の状態変化、食事量、入浴、排泄、転倒、服薬、通院などを家族へ伝える必要がありますが、 電話や紙の連絡帳だけに頼ると時間がかかります。

記録に時間がかかる

紙の記録、申し送り、請求ソフト、家族連絡帳への二重・三重入力が残りやすい。

情報共有が難しい

早番・日勤・夜勤・パート・看護職・リハ職など多職種間で引き継ぎ漏れが起こりやすい。

シフト作成が重い

人員基準、資格者配置、希望休、急な欠勤、送迎を考慮する作業が管理者に集中する。

家族連絡・事故報告が負担

利用者の状態変化、事故、通院、服薬などを電話や紙で共有すると時間がかかる。

介護 人手不足 解消を考えるなら、採用だけでなく、日々の業務負担を減らす介護 業務改善が不可欠です。

介護記録電子化はDXの第一歩

介護 記録電子化は、介護DXの代表的な入口です。

紙の記録では、記入、確認、保管、転記、請求への反映に時間がかかります。 記録が読みにくい、記入漏れがある、過去記録を探しにくい、 同じ内容を複数の書類に書く、といった問題も起こります。

介護記録ソフトを導入すると、日々の介助記録、バイタル、食事、水分、排泄、入浴、 服薬、申し送り、事故報告、家族連絡、請求に必要な情報を一元化しやすくなります。 タブレット入力やスマートフォン入力を活用すれば、現場で記録しやすくなります。

ただし、記録電子化で注意すべきなのは、入力項目を増やしすぎないことです。 紙の様式をそのまま電子化すると、画面上での入力が煩雑になり、 職員の負担が増える場合があります。

重要なのは、誰が、いつ、どこで、何を入力するのかを決めることです。 介護職が入力すべき情報、看護職が確認すべき情報、管理者が見るべき情報、 請求に連動する情報を整理することで、記録電子化は業務改善につながります。

  1. 紙の記録、申し送り、請求、家族連絡で重複している項目を洗い出す
  2. 介護職、看護職、管理者、事務職が見るべき情報を整理する
  3. タブレット入力、スマートフォン入力、チェック項目、定型文を活用する
  4. 請求、モニタリング、家族連絡、事故報告への連動を確認する

見守り・センサー・ICTは目的を明確にして導入する

介護DXでは、見守り機器、センサー、ナースコール連携、インカム、タブレット、 シフト管理、送迎管理など、さまざまなICTが活用されています。

特に入所系サービスでは、夜間の見守りや巡回負担の軽減が大きな課題です。 センサーにより離床や動きを把握できれば、必要なタイミングで訪室しやすくなります。 夜勤職員の不安軽減にもつながります。

一方で、ICT機器は導入すれば自動的に効果が出るものではありません。 アラートが多すぎると、職員が疲弊します。 機器の設定が現場に合っていなければ、使われなくなります。 データを誰が確認し、どう記録に反映し、ケアに活かすのかを決める必要があります。

通所系サービスでは、送迎管理、利用予定、連絡帳、請求、計画書、家族連絡の効率化が重要です。 訪問系サービスでは、訪問記録、移動、実績報告、シフト、利用者情報の確認がポイントになります。

サービス種別 よくある課題 ICT・DXの方向性
入所系 夜間巡回、見守り、ナースコール、申し送りの負担 見守りセンサー、ナースコール連携、記録電子化、夜勤情報共有
通所系 送迎、利用予定、連絡帳、計画書、請求の管理 送迎管理、家族連絡、利用実績、請求連携の見直し
訪問系 移動、訪問記録、実績報告、シフト、利用者情報確認 スマホ記録、訪問予定、地図連携、実績報告の効率化
共通 人手不足、記録負担、情報共有、家族連絡 業務棚卸し、記録電子化、情報共有、外部支援の活用
介護事業所 DXでは、サービス種別に応じて、導入すべきICTの優先順位を変えることが大切です。

介護業務改善は「紙をなくす」だけではない

介護 業務改善というと、紙をなくすことが目的のように思われることがあります。 しかし、紙を電子に置き換えるだけでは不十分です。

例えば、紙の記録を電子化しても、紙の申し送りノートが残り、 請求ソフトへ再入力し、家族連絡は別の紙で作っているなら、負担は大きく減りません。 むしろ、紙と電子の二重管理になり、職員の不満が増えることもあります。

介護業務改善では、業務フロー全体を見る必要があります。 記録した情報が、申し送り、請求、計画書、モニタリング、家族連絡、 事故報告にどう活用されるかを整理します。

また、現場職員の声を聞くことも重要です。 管理者にとって便利なシステムでも、現場職員が入力しづらければ定着しません。 導入前に現場の困りごとを確認し、導入後も運用を見直すことが必要です。

介護DXは、現場に負担を押しつけるものではありません。現場の知恵を仕組みに変えることです。

家族連絡・医療連携・ケアマネ連携をDXで整える

介護事業所では、家族、ケアマネジャー、医療機関、訪問看護、薬局との連携も重要です。

家族連絡では、利用者の様子、食事、入浴、体調変化、事故、通院、服薬などを 分かりやすく伝える必要があります。 電話や紙の連絡帳だけでは、情報共有に時間がかかります。 家族向け連絡ツールを活用すれば、必要な情報を適切に共有しやすくなります。

医療連携では、バイタル、服薬状況、転倒、発熱、食事量、褥瘡、 認知症状の変化などを正確に伝える必要があります。 記録が電子化されていれば、状態変化の経過を確認しやすくなります。

ケアマネジャーとの連携でも、実績、モニタリング、サービス利用状況、 状態変化を共有することが重要です。 情報が整理されていれば、サービス担当者会議や計画見直しもスムーズになります。

連携先 共有すべき情報 DXで整えるポイント
家族 食事、入浴、体調変化、事故、通院、服薬、日々の様子 連絡帳、アプリ、電話連絡の使い分けを整理する
医療機関 バイタル、発熱、転倒、服薬状況、褥瘡、状態変化 必要な情報を時系列で共有できる記録管理を行う
訪問看護・薬局 医療処置、服薬、観察項目、生活状況 記録と申し送りを連動させ、チームケアを支える
ケアマネジャー 実績、モニタリング、利用状況、状態変化 計画見直しやサービス担当者会議に活用できる形で整理する

介護DXは、事業所内だけで完結するものではありません。 利用者を支える関係者全体で情報を共有しやすくすることが重要です。

365メディカルからの提案:介護DXは「人手不足対策」と「品質維持」を両立する

365メディカルでは、介護事業所DXを、介護 記録電子化、介護 業務改善、 介護 人手不足 解消を一体で進める取り組みとして捉えています。

介護DXは、補助金を使って機器を導入することが目的ではありません。 現場の負担を減らし、職員が利用者ケアに集中できる時間を増やし、 サービス品質を維持することが目的です。

365メディカルは、介護事業所の業務棚卸し、記録電子化の要件整理、 ICT導入の優先順位づけ、家族連絡・医療連携の整理、 制度対応・証跡管理の支援を行います。

介護事業所DXは、現場の仕事を軽くし、職員が続けられる職場をつくるための取り組みです。 人手不足の時代だからこそ、仕組みで現場を支えることが重要です。

365メディカルへの相談導線

365メディカルでは、医療機関・歯科医院・薬局・訪問看護ステーション・介護事業所の 医療DX、制度対応、WEB掲載、施設基準管理、証跡管理、業務改善を支援しています。

DXはシステムを入れることが目的ではなく、現場の負担を減らし、 患者・利用者に向き合う時間を増やすための取り組みです。 自院・自施設に合った進め方を整理したい場合は、まず現状業務の棚卸しからご相談ください。

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参考・参照

  • 厚生労働省「医療DXについて」
  • 厚生労働省「電子カルテ情報共有サービス」
  • 厚生労働省「電子処方箋」
  • 厚生労働省「電子処方せん対応の医療機関・薬局についてのお知らせ」
  • 厚生労働省「電子版お薬手帳」
  • 厚生労働省「介護DXの推進」
  • 厚生労働省「介護分野における生産性向上」
  • 厚生労働省「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」
免責事項:
本記事は、公開情報および医療・介護現場における一般的な業務課題をもとに作成した解説記事です。 制度対応、診療報酬、施設基準、補助金、システム導入の可否については、最新の公的資料、 所管行政機関、専門家、各システムベンダーの情報を確認したうえでご判断ください。