令和9年に向けた医療DX最新動向

令和9年、標準型電子カルテで
医療DXは次の段階へ

クリニック・中小病院が今から確認すべき、標準型電子カルテ、電子処方箋、電子カルテ情報共有サービス、施設基準、WEB掲示、証憑管理のポイントを365メディカルの視点で解説します。

公開日:2026年6月28日 対象:クリニック・中小病院 テーマ:標準型電子カルテ・医療DX
標準型電子カルテと医療DXを表すイメージ画像 電子カルテは、入力する道具から「医療情報をつなぐ基盤」へ。

令和9年以降、電子カルテ選定は操作性だけでなく、標準仕様、認証、クラウド、電子処方箋、電子カルテ情報共有サービスへの対応が重要になります。

2026年以降、医療機関を取り巻くデジタル化の流れは、さらに大きく加速しています。

オンライン資格確認、電子処方箋、電子カルテ情報共有サービス、医療DX推進、サイバーセキュリティ対策、そして令和8年度診療報酬改定で新たに注目される電子的診療情報連携体制整備加算。

こうした制度の言葉が次々と出てくる中で、クリニックや中小病院の現場では、「何から始めればよいのか分からない」という不安も多いのではないでしょうか。

365メディカルでは、この変化を単なるシステム更新の話ではなく、医療機関の業務体制・情報管理体制を見直す重要なタイミングだと考えています。

1. なぜ今、標準型電子カルテが注目されているのか

標準型電子カルテが注目されている背景には、日本全体の医療DXの流れがあります。

政府は、2030年までに概ねすべての医療機関で、必要な患者情報を共有できる電子カルテの導入を目指す方針を示しています。

ここで重要なのは、単に「紙カルテを電子化する」という話ではない点です。

目的は、患者さんの診療情報を、必要なときに、必要な医療機関で、安全かつ適切に共有できるようにすることです。

  • 紹介先の病院で、過去の検査結果や診療情報を確認しやすくする
  • 薬剤情報を電子的に共有し、重複投薬や併用禁忌のリスクを減らす
  • 災害時や転院時にも、必要な医療情報へアクセスしやすくする
  • 地域医療連携を進め、切れ目のない医療提供につなげる

こうした医療の連携を実現するために、電子カルテ情報共有サービス、電子処方箋、オンライン資格確認、標準仕様に準拠した電子カルテの整備が進められています。

365メディカルの視点:
これからの電子カルテ選びでは、操作性や価格だけでなく、「他の医療DX基盤とつながるかどうか」が重要になります。電子カルテは、診療記録の入力ツールから、医療情報を安全につなぐインフラへと変わりつつあります。

2. 標準型電子カルテは「現場の負担軽減」を目指すもの

医療現場で電子カルテに対する不満として多いのが、入力負担です。

診察中に患者さんではなく画面を見る時間が増える。クリック数が多い。キーボード入力が苦手な医師には負担が大きい。診療科ごとの記載スタイルに合わない。

こうした課題は、電子カルテ導入の大きな壁になってきました。

標準型電子カルテで注目すべき点は、こうした現場の使いやすさを重視している点です。

1

導入ハードルを下げる

必要な機能を整理し、日々の診療を邪魔しない電子カルテを目指す方向性です。

2

業務をスムーズにする

処方、検査、診療情報提供書など、診療所で必要な業務を効率化しやすくします。

3

連携しやすくする

レセコン、外注検査、電子処方箋、電子カルテ情報共有サービスとの連携が重要になります。

特に、診療所や小規模医療機関では、複雑で高機能なシステムよりも、日々の診療を邪魔しないことが重要です。

ただし、標準型電子カルテは、すべての医療機関にとって万能な選択肢ではありません。

診療科の特性、患者数、検査体制、画像管理、予約システム、会計、部門システムとの連携など、自院の運用によって必要な機能は異なります。

3. 「標準型電子カルテ」と「標準仕様準拠型電子カルテ」は分けて考える

ここで混同しやすいのが、「標準型電子カルテ」と「標準仕様に準拠した電子カルテ」です。

標準型電子カルテは、主に診療所などを想定し、導入ハードルを下げることを目的とした電子カルテの方向性です。

一方で、中小病院や一定規模以上の医療機関では、民間ベンダーが開発する標準仕様準拠型の電子カルテやレセコンを選定するケースが中心になると考えられます。

対象 想定される選択肢 確認すべきポイント
医科診療所・クリニック 標準型電子カルテ、または標準仕様準拠型の民間電子カルテ 操作性、レセコン連携、電子処方箋、電子カルテ情報共有サービス、標準仕様対応
中小病院 民間ベンダーの標準仕様準拠型電子カルテ 部門システム連携、画像管理、検査連携、クラウド対応、データ移行、セキュリティ
既存電子カルテ利用医療機関 現行ベンダーの対応版、またはリプレイス 契約更新時期、追加費用、認証対応予定、データ移行、加算要件への影響

つまり、すべての医療機関が同じ電子カルテを使うという話ではありません。

重要なのは、自院の電子カルテが、今後求められる標準仕様、電子カルテ情報共有サービス、電子処方箋、認証制度、クラウド対応などにどこまで対応できるのかを確認することです。

4. 電子カルテ選びの基準は「価格」から「制度対応力」へ

これまで電子カルテ選びでは、価格、操作性、サポート体制、レセコン連携などが重視されてきました。

もちろん、これらは今後も重要です。しかし、これからはそれだけでは不十分です。

今後の電子カルテ選びでは、次のような視点が重要になります。

  • 標準仕様に準拠しているか
  • 電子カルテ情報共有サービスに対応しているか
  • 電子処方箋に対応しているか
  • 厚生労働省の認証制度に対応する予定があるか
  • クラウド運用におけるセキュリティ体制が整っているか
  • 医療DX関連の診療報酬や施設基準に影響しないか
  • データ移行や将来のベンダー変更に対応しやすいか

特に、令和8年度診療報酬改定では、電子的診療情報連携体制整備加算など、電子処方箋や電子カルテ情報共有サービスとの接続、認証電子カルテの利用が重要な論点になっています。

今後、医療DX対応は、単なる業務効率化ではなく、診療報酬や施設基準にも関わるテーマになっていきます。

5. クラウド化とセキュリティはセットで考える

標準型電子カルテや標準仕様準拠型電子カルテでは、クラウド技術の活用も重要になります。

クラウド型の電子カルテには、院内サーバーの管理負担を減らせる、バックアップや更新がしやすい、外部連携が進めやすいといったメリットがあります。

一方で、クラウド化には不安を感じる医療機関も少なくありません。

  • 患者情報を外部に置いて大丈夫なのか
  • サイバー攻撃を受けたらどうなるのか
  • インターネットが止まった場合、診療は継続できるのか
  • 電子カルテが停止した場合、紙運用に切り替えられるのか

大切なのは、「クラウドだから安全」「院内サーバーだから安全」と単純に考えないことです。

本当に重要なのは、どのような運用管理を行うかです。

注意点:
医療機関側でも、二要素認証、職員ごとのアクセス権限、退職者アカウントの停止、ログ管理、バックアップ、サイバー攻撃時の連絡体制、電子カルテ停止時の代替フローを整備しておく必要があります。

6. クリニック・中小病院が今から準備すべきこと

令和9年4月に向けた標準型電子カルテの動きは、すべての医療機関がすぐに電子カルテを入れ替えなければならないという意味ではありません。

しかし、次回の電子カルテ・レセコン更新時には、標準仕様、認証、電子カルテ情報共有サービス、電子処方箋への対応が重要な判断基準になることは間違いありません。

1. 現在の電子カルテ・レセコン契約を確認する

まずは、現在利用している電子カルテやレセコンの契約内容を確認しましょう。リース期間、保守契約、更新時期、解約条件、データ移行条件などを整理しておくことが重要です。

2. 現行ベンダーの標準仕様対応予定を確認する

現在のベンダーに対して、標準仕様への対応予定、認証制度への対応予定、電子カルテ情報共有サービスとの連携予定を確認しましょう。

3. 電子処方箋・電子カルテ情報共有サービスの運用状況を確認する

電子処方箋や電子カルテ情報共有サービスは、単にシステムを導入すれば終わりではありません。職員が運用できるか、患者説明ができるか、受付・診察・会計の流れに組み込めているかまで確認が必要です。

4. セキュリティ体制を見直す

パスワード管理、二要素認証、アクセス権限、バックアップ、ウイルス対策、職員教育、緊急時対応フローを見直しましょう。

5. 施設基準・WEB掲示・証憑管理と連動させる

365メディカルが特に重要だと考えているのが、電子カルテ対応と施設基準・WEB掲示・証憑管理を分けて考えないことです。

医療DX関連の加算や施設基準では、システム導入だけでなく、届出、院内掲示、WEB掲載、運用記録、証憑保管が必要になる場合があります。

  • 2026年 標準仕様、認証制度、加算要件、現行ベンダーの対応予定を確認する時期。
  • 2027年4月 標準型電子カルテ・標準仕様準拠型電子カルテに向けた動きが本格化。
  • 2030年 概ねすべての医療機関で、必要な患者情報を共有する電子カルテ導入を目指す流れへ。

7. 標準型電子カルテ時代は、医療機関の体制を見直すチャンス

標準型電子カルテの登場は、医療機関にとって負担に感じられるかもしれません。

しかし、見方を変えれば、これは自院の業務フローを見直す大きなチャンスでもあります。

  • 診療情報の記録方法を整理する
  • 紙で残っている業務を見直す
  • 受付から会計までの流れを改善する
  • 電子処方箋や電子カルテ情報共有サービスへの対応を進める
  • 施設基準やWEB掲示の管理を一元化する
  • セキュリティやBCPを整備する

365メディカルでは、標準型電子カルテ時代の到来を、医療機関が「制度に追われる状態」から「制度を活用する状態」へ変わるタイミングだと考えています。

標準型電子カルテ時代の準備は、システム選定だけでは終わりません

365メディカルでは、医療DX、施設基準、WEB掲示、電子的診療情報連携体制整備加算、証憑管理、業務フロー設計の観点から、医療機関が標準型電子カルテ時代に備える体制づくりを支援しています。

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引用・参照

免責事項

本記事は、2026年6月28日時点で公表されている情報および参照資料をもとに、365メディカルが医療機関向けにわかりやすく整理したものです。制度内容、診療報酬、施設基準、認証制度、補助金、導入要件、スケジュール等は今後変更される可能性があります。実際の導入判断、届出、契約、システム選定にあたっては、最新の公的資料、所管機関、電子カルテベンダー、専門家等に必ずご確認ください。