令和8年度診療報酬改定・歯科DX

口腔内スキャナが
“保険診療の標準装備”
になる日

光学印象の対象にCAD/CAM冠が加わり、評価も引き上げへ。 これからの歯科医院に必要なのは、機器を購入することではなく、 保険診療・院内運用・技工所連携を一体で設計することです。

口腔内スキャナとCAD/CAM冠の新時代を表現したヒーロー画像

歯科医院における口腔内スキャナは、これまで自由診療、マウスピース矯正、 インプラント、審美補綴などで活用する「先進的なデジタル機器」という印象が強い設備でした。 しかし、令和8年度診療報酬改定をきっかけに、その位置づけは変わり始めています。 今後のテーマは「導入するかどうか」ではなく、 保険診療の中でどの症例に、どのような運用で活用するかです。

令和8年度診療報酬改定で、光学印象はどう変わったのか

今回の改定で注目されるのは、口腔内スキャナなどのデジタル印象採得装置を使用する 「光学印象」の対象が拡大されたことです。

改定前は、CAD/CAMインレーを製作する場合に、デジタル印象採得装置を用いて 印象採得および咬合採得を行ったときに評価される仕組みでした。 改定後は、CAD/CAM冠またはCAD/CAMインレーを製作する場合へ対象が広がり、 光学印象の評価も100点から150点へ引き上げられる内容が示されています。

項目 改定前 令和8年度改定後
光学印象 100点 150点
主な対象 CAD/CAMインレー CAD/CAM冠・CAD/CAMインレー
方法 デジタル印象採得装置による印象採得・咬合採得 同様のデジタル印象採得

これは、単なる50点の引き上げではありません。 保険診療における日常的な補綴治療の中で、デジタル印象を活用する機会が広がったことを意味します。

口腔内スキャナを所有しているだけで、自動的に光学印象を算定できるわけではありません。 対象となる補綴物、施設基準、届出、使用方法、診療録への記載、技工所との連携など、 最新の告示・通知・疑義解釈を確認したうえで運用する必要があります。

患者体験は「苦しい型取り」から変わる

従来の印象材を用いた型取りは、歯科治療に欠かせない重要な工程です。 一方で、患者さんによっては、嘔吐反射、息苦しさ、印象材の味やにおい、 硬化するまで口を開け続ける負担などを感じることがあります。

不快感の軽減 適応症例では、印象材を使用する従来法と比べて患者負担を軽減できる可能性があります。
説明の見える化 スキャン画像を画面に表示し、形成部位や咬合状態を確認しながら説明できます。
データの確認 読み取り不足がある部位を画面上で確認し、必要な部分を再スキャンできます。
医院の差別化 「型取りが苦手」という患者さんに、新しい選択肢を提示できます。

もちろん、すべての症例で口腔内スキャナが万能というわけではありません。 歯肉縁下の形成、出血や唾液、開口量、欠損範囲などによっては、 従来の印象採得が適しているケースもあります。

重要なのは、「デジタルだから優れている」と一律に判断するのではなく、 症例ごとに適応を見極め、患者さんへ分かりやすく説明できる体制を整えることです。

口腔内スキャナは「算定機器」ではなく経営設備

光学印象の評価が引き上げられるとしても、 「150点を算定できるから購入する」という判断だけでは、 十分な投資効果を得られない可能性があります。

本当に確認すべきなのは、診療報酬だけではなく、 診療・技工・事務の流れ全体に与える効果です。

  • 1か月に何症例で使用できるか
  • 再印象や再製作をどの程度減らせるか
  • 印象材、石膏、梱包、発送にかかる費用を削減できるか
  • 模型作製や保管に必要な時間とスペースを削減できるか
  • 技工所との確認・問い合わせ回数を減らせるか
  • スタッフの手作業や残業要因を減らせるか
  • 患者説明の質を高められるか
  • 保守費用やソフト利用料を含めても採算が合うか

デジタル印象では、取得したデータを技工所へ送信できるため、 石膏模型の作製、梱包、発送などの工程を見直せる可能性があります。

一方で、スキャンに時間がかかる、データ不備による再スキャンが多い、 スタッフごとに操作方法が異なるといった状態では、 かえってチェアタイムが長くなることもあります。

口腔内スキャナは、形成、圧排、止血、スキャン、データ確認、 技工指示、送信までを一つの業務として設計して初めて、 診療・技工・事務の流れを変える経営設備になります。

購入前に、実際の診療で試してみませんか?

カタログやデモだけでは、自院の症例数、診療時間、スタッフ体制、 技工所との相性までは判断できません。まずはレンタルで運用を検証し、 継続的に活用できるかを確認する方法があります。

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導入の壁は「買うこと」より「使い続けること」

口腔内スキャナの導入でよくある課題は、購入したものの、 使用する歯科医師やスタッフが限られ、次第に使われなくなることです。

  • 院長しかスキャンできない
  • スタッフごとに操作方法が異なる
  • データ確認の基準が決まっていない
  • 再スキャンの判断が担当者任せになっている
  • 技工所ごとに送信方法が違う
  • 忙しい日は従来の印象へ戻ってしまう
  • 保険請求上の記録方法が統一されていない

この状態では、高額な機器を購入しても使用頻度は上がりません。 そこで重要になるのが、購入前の運用検証です。

導入前に確認すべき7項目

対象症例数
CAD/CAM冠・インレーなど、自院で活用できる可能性がある症例数を把握します。
院内の診療時間
通常の予約枠の中で無理なくスキャンできるかを確認します。
スタッフの習熟度
特定の担当者だけでなく、複数のスタッフが同じ手順で操作できるか確認します。
技工所の対応
データ形式、送信方法、写真共有、納期、再製作時の対応を事前に協議します。
算定と記録
施設基準、届出、診療録記載などの院内ルールを整えます。
保守・運用費
本体価格だけでなく、ソフト利用料や保守契約を含めた総費用を確認します。
費用対効果
材料費、再印象、模型保管、発送、スタッフ作業の削減効果を検証します。

いきなり購入せず、レンタルで診療フローを検証する

口腔内スキャナは、本体価格だけでなく、保守契約、ソフトウェア利用料、 周辺機器、院内ネットワーク、スタッフ教育などの費用も考慮する必要があります。

そのため、初めから購入するのではなく、一定期間レンタルし、 自院の診療フローに適合するかを確認する方法が現実的です。

365メディカルの口腔内スキャナレンタルサービスでは、 初期投資を抑えながら、実際の診療現場でデジタル印象の効果を確認できます。 導入前の試用、院内研修、繁忙期の一時的な利用など、 医院の状況に合わせた検証に活用できます。

レンタル期間中に記録したい項目

  • 症例ごとのスキャン時間
  • 再スキャンの回数と原因
  • 従来法と比較したチェアタイム
  • 患者さんの反応
  • 技工所へのデータ送信時間
  • データ不備の発生状況
  • スタッフごとの習熟度
  • 月間の使用可能症例数

これらを数値で確認すれば、「新しい機器だから購入する」のではなく、 自院で継続的に活用できるかを検証してから投資判断を行えます。

技工所との連携まで整えなければ、デジタル化は完成しない

口腔内スキャナで取得したデータは、最終的に補綴物を製作する歯科技工所へ送られます。 しかし、スキャンデータだけをデジタル化しても、 技工指示、色調情報、納期、修正履歴が電話、紙、メール、LINEなどに分散していれば、 業務全体の効率化にはつながりません。

  • 最新の技工指示が分からない
  • 電話で伝えた変更内容が記録に残っていない
  • 写真と患者情報の対応関係が分からない
  • 誰がいつ納期を変更したか確認できない
  • 再製作の原因を振り返れない
  • 請求書や納品書が別々に保管されている

令和8年度改定では、歯科医師と歯科技工士が情報通信機器を用いて、 色調採得や口腔内確認などを行う連携についても評価が示されています。

365メディカルの「365-Connect」は、歯科医院と歯科技工所の発注、 技工指示、進捗、書類、履歴をデジタルで管理するための運用基盤です。 口腔内スキャナと技工連携をセットで整えることで、 印象採得だけでなく、診療・技工・事務を含めた業務全体の見直しにつながります。

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令和8年度改定後、歯科医院が準備すべき5つのこと

対象症例数を確認する
過去数か月のCAD/CAM冠・CAD/CAMインレーの症例数を確認します。
施設基準と届出を確認する
最新の告示、通知、施設基準、届出様式、疑義解釈を確認します。
院内手順を標準化する
患者説明、形成、圧排、止血、スキャン、確認、送信、診療録記載までを決めます。
技工所と事前に協議する
対応可能なデータ形式、技工指示、写真共有、納期、再製作時の対応を確認します。
購入前に実証する
レンタルで使用症例数、操作時間、スタッフの習熟度、費用対効果を検証します。

口腔内スキャナを「使える設備」にするために

令和8年度診療報酬改定は、光学印象を保険診療の中で活用しやすくする転換点です。 しかし、改定された点数だけを見て、急いで機器を購入する必要はありません。

重要なのは、自院の患者層、症例数、スタッフ体制、技工所との関係、 既存の診療フローを踏まえ、継続的に使える仕組みを整えることです。

365メディカルでは、口腔内スキャナの購入を前提としないレンタル導入から、 院内運用、技工所連携まで段階的にご相談いただけます。

  • 自院では何症例に使えるのか分からない
  • 購入しても使いこなせるか不安
  • 令和8年度改定に合わせて何から準備すべきか知りたい
  • 技工所とのデータ連携も含めて見直したい

このような課題がある歯科医院は、まず現在の診療フローを整理し、 実際の診療現場で検証するところから始めてみてください。

よくある質問

令和8年度診療報酬改定で光学印象はどう変わりますか?
光学印象の対象にCAD/CAM冠が加わり、CAD/CAM冠またはCAD/CAMインレーを製作する場合の 光学印象について、評価が100点から150点へ引き上げられる内容が示されています。 実際の算定では、最新の告示、通知、施設基準、届出、疑義解釈をご確認ください。
口腔内スキャナは購入とレンタルのどちらがよいですか?
症例数、スタッフの習熟度、技工所の対応、保守費用が不明な段階では、 レンタルで実際の診療フローに組み込み、使用頻度や費用対効果を確認してから 購入を判断する方法が現実的です。
導入すれば業務は自動的に効率化しますか?
機器の導入だけでは十分ではありません。形成、圧排、止血、スキャン、 データ確認、技工指示、送信、診療録記載までの院内手順と、 歯科技工所との連携方法を標準化する必要があります。
導入前に何を確認すべきですか?
対象症例数、算定要件、施設基準と届出、スキャン時間、再スキャン率、 スタッフ教育、技工所が受け取れるデータ形式、保守費用、 材料費や模型保管費の削減効果を確認してください。

引用・参考資料

  1. 厚生労働省「令和8年度診療報酬改定の概要【歯科】」
    https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001671913.pdf
  2. 一般社団法人365メディカル「口腔内スキャナレンタルサービス」
    https://www.365medical.or.jp/ios-rental
  3. 一般社団法人365メディカル「365-Connect」
    https://www.365medical.or.jp/app-landing-page

用語集

口腔内スキャナ
小型カメラ等で口腔内の形状を読み取り、デジタルデータとして取得する装置です。
光学印象
印象材ではなく、口腔内スキャナ等を用いて歯や口腔内の形状をデジタルデータとして取得する方法です。
CAD/CAM冠
コンピュータ支援設計・製造技術を用いて製作される歯冠補綴物です。
CAD/CAMインレー
コンピュータ支援設計・製造技術を用いて製作されるインレー修復物です。
歯科技工士連携
歯科医師と歯科技工士が、補綴物製作に必要な色調、形態、口腔内情報、技工指示等を共有することです。
365-Connect
歯科医院と歯科技工所の発注、指示、進捗、書類、履歴などをデジタルで管理する技工連携支援サービスです。

免責事項

本記事は、令和8年度診療報酬改定に関する公開資料をもとに、 歯科医院向けの一般的な情報提供を目的として作成しています。

個別症例における光学印象の適応、診療報酬の算定可否、施設基準、届出、 診療録への記載、患者説明、歯科技工所との連携方法等については、 最新の告示、通知、疑義解釈、地方厚生局および審査支払機関の取扱いをご確認ください。

本記事は、診療報酬請求、法務、税務、医療広告または医療上の個別判断を代替するものではありません。

口腔内スキャナを、購入前に実際の診療で試してみませんか?

365メディカルでは、口腔内スキャナのレンタル導入から、 院内運用、歯科技工所との連携まで段階的に支援します。 「使えるか分からないまま購入する」前に、自院の診療フローで効果を確認してください。